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ヒビガタリ。//日々ぐだぐだと管巻いてゆこうと思います。 WJネタバレ・女性向発言は反転。
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2008/02/08 (Fri) 噺続きー(後編)
一応書いたのでアップしときます。
後編↓


「皇女殿下からのお心遣いだ。」
「あ?」
「"きちんと修理して下さっているから、一晩こちらの時間をお渡ししましょう"と。」

おれの修理を待つために、一晩ここで過ごすのだという。

告げた男は明らかに不服そうだが、こちらとしてはそれは本当に有難い。
職人として、適当な仕事をするわけにはいかないのだから。


ランプの灯を頼りに、一つ一つ彫っては色を入れる。

兵士どもは村中からメシをかき集め、(夏物の収穫が
済んでいて良かった)そのあたりに宿営しているらしい。

かん、かんと。
木の応える音が響く。



ぽう、と一つ、灯が増えた。


「素敵ね」

やわらかい、女の声。
振り返った先には、目深に被った深緑のフード。
黒曜石のように深い瞳の笑みが見えている。

ぐびりと麦酒をあおり、手元に目を戻した。


「見ていてもいいかしら?」
「ああ。」




静かに、木の音だけが響く。

時折、女の深い息が混じって聞こえる。
女は、じっとおれの仕事を見つめて、動かない。

「言いたいことでもあるなら」
振り向かず、手も止めず、おれは言った。


「聞いてやるよ」



ひゅう、と息を飲む音がして、女は少し笑った。

「職人さん―――カティ・フラムさん、でいいのかしら。」
「フランキーだ。馴染みはそう呼ぶ」
「私も?」
「呼びたきゃどうぞ」



皇女様は、国から追い出されるのよ
そう女は話した。
「秘密を知ってしまったから」
「秘密?」
「そう、正しくは――秘密があることを、かしら」

この国は神が作り、そして神が皇帝を選び給うた。

「教会と一部のジジイの世迷言だ」

そういうと、ころころと、実に楽しそうに女は笑った。
「そうね、貴方の言うとおりよ」

そして、兄たちよりもずっと多くの本を読んでいた皇女様も、
そうであると知ってしまったの。

「そして、神様にも秘密があることも」

そう言って女は、また笑ったようだった。
・・・幾らか 哀しそうに。


「この国の歴史は、とても長いの」
「だから、余計なことを知る前に、新興の大国へ遣るってか」

厄介払いが出来、同盟関係も結べて
一石二鳥というわけだ。下らねェ。


こん、こん。
五弁のバラが浮かび上がる。
夜風は木屑を吹き流しながら、それを撫でゆく。


「それほど知りたがりの皇女様が、納得したとも思えねェが?」
「・・・・・よくご存知ね、職人さん」
「フランキーだ」

ふふ、と楽しげに女は笑う。
・・・幾らか、低い声で。


「だから皇女様は今、」

黒い瞳が燃えている。


「職人を探しているのよ」



女の柔らかな手が、ばさ、とフードを外した。


夜風に黒い髪が揺れる。
黒い瞳は意志を湛えて、鋭くも艶やかに光っていた。


「皇女は金髪碧眼だと聞いてたが」
「おかしな話だわ。忌まれる色だからかしらね――教会からは」

女はおれを望んでいる。
自らの逃亡の、"知る"という抵抗の要として。

だから、おれに全てを賭ける覚悟で、素顔を見せたのだ。


真実に目覚めてしまった、黒い瞳の皇女は。


「おれは嫌いじゃねェな―――潔い色だ」

しかし悪ィがお姫様、おれにも夢がある。



「夢?」
「ああ、作りたいものがあるのさ」

それはなあに、と潤んだ瞳が尋ねた。


「船だ」
「船?海を行く、あの」
「そう・・・・・・世界のどこまでもいけるヤツよ」

カタン。
最後の一彫を済ませ、鑿(のみ)と槌を置いた。

そして、女に向き直る。




「どこまでも逃げられる」

鋭い瞳が、真ん丸に見開かれた。



「さらってやろうか」
おれの夢まで。

無骨な手を、伸ばした。





訃報。
皇女ロビン殿下、腰入れ先のA国への行程中、急病にて崩御。


*****
カップリングかどうかはお任せします。
初フランキーでした。
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comment

期せずしてロビ誕!!
やるな、無頼……!!!

カップリングかどうかはこの際どっちでもいいと思った。
目的を同じくした「人」と「人」が手を取り合う姿は美しい。
馬車に刻まれた、五弁のバラよりも、その姿は美しい。

格好いいなフランキー…
2008/02/08 12:03 | ailin [ edit ]

ロビ誕、ほんまや・・・!!(全く気付かんかったんかい)

そうなのです、同志として
手を取り合う姿ってのは、生半可な恋愛ものよりも
心迫るものがあると思うのですよ。
覚悟があるのならそれはなおさら。

ていうか。
自分で書いてても、「おいおいカッコよすぎねェか」
と思ってしまいました。
原作だと、コーラでパンツでスネ毛なのに・・・笑

コメントありがとうございます!
2008/02/12 02:07 | 無頼 [ edit ]









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